ビジネスと不動産経済を本気で考えるブログ

「下がる要因が見当たらない」——現場で感じる、高市政権後の不動産市況のリアル

【不動産市況に死角なし】高市政権でも価格上昇は続くと読む理由

〜維新連立・積極財政・外国人規制がもたらす新しい波〜

高市内閣が発足しましたね。

憲政史上初の女性首相という注目もありますが、僕たち不動産業者や投資家にとっては「マーケットがどう動くか」が一番の関心です。

僕自身も日々、土地を仕入れてアパートを建てて販売していますが、ここ最近の価格動向を見ていると——

“やはりまだ“下がる気配がない”というのが正直な実感です。


■都心価格は当面“下がらない”——むしろ加速の可能性も

不動産調査会社・東京カンテイの高橋氏も

「今の不動産市況に死角はない。下がる要因を探す方が難しい」。と言っています。

たしかに、

  • 建築コスト・人件費の高止まり

  • 円安・株高による外資マネー流入

  • 富裕層の高級レジデンス需要の継続

この3つが重なっており、需給のバランスが崩れる気配がありません。

現場で土地を探していても、業者同士の仕入れ競争が止まらない

体感でいうと、2024年末〜2025年夏頃よりもさらにタイトです。


■維新連立で「外国人規制」が焦点に

今回の政権交代で見逃せないのは、「維新の連立入り」。

そもそも維新は「副首都構想」や「特区民泊」など、大阪中心の経済活性化を推してきた政党。

その一方で、「居住実態のない外国人の不動産購入」に追加税(シンガポール型印紙税)を検討している。

つまり、大阪圏の地価上昇+外国人規制という、相反する動きが同時に起こる可能性があるんです。

個人的には、

  • 短期転売を狙う外資マネーには一定のブレーキ

  • しかし実需や投資目的の長期保有層にはむしろ追い風と見ています。

実際、民泊やインバウンド回復の勢いを考えると、規制の方向をどう舵取りするかが最大の焦点になるでしょうね。


■積極財政×外資規制——矛盾する二つの政策のはざまで

オラガ総研の牧野氏も指摘していましたが、

高市政権の経済運営は「積極財政」と「外資規制」、この両輪がどうかみ合うかにかかっていると考えます。

積極財政はインフレを押し上げ、実物資産=不動産価格の上昇要因

一方で、金利上昇や国債発行に伴う長期金利の上ぶれが出てくれば、借入依存のデベロッパーや建設会社の収益圧迫につながります。

ここは本当にバランスが難しいところです。

僕自身の考えとしては、

  • 2025年内は積極財政寄りで価格上昇継続

  • 2026年以降は金融引き締め気配が出て一部調整という2段階シナリオで見ています。


■不動産投資家として今意識すべき3つのこと

僕が現場で感じている「今の立ち回り方」はこの3つです。

  1. 金利上昇リスクを織り込む
     → 借入依存度を下げ、返済比率を見直す

  2. エリア選定は“東京+大阪”の二軸
     → 東京は安定、関西は成長余地あり

  3. 外国人規制の影響を注視
     → 短期的に規制強化が入ると仕入れチャンスも出る

特に、大阪の土地動向は今後注目です。

「副首都構想」と「維新の勢い」が重なれば、大阪湾岸〜中心部の地価が再評価される可能性があると思っています。


■まとめ:下がる理由が見当たらない今こそ“冷静さ”が武器

不動産市況は依然として強く、専門家も「死角なし」と語っています。ただし、いつの時代も「市場が強気の時こそリスク管理を怠らない」ことが重要です。

僕自身も、次の1年は

  • 無理な仕入れは避ける

  • 高値売却できるチャンスを逃さない

  • 政策の転換点を敏感にキャッチする

という姿勢で臨むつもりです。

高市政権のもとで、不動産市場は確実に新しいフェーズに入っています。

“強気相場の中で、冷静に動ける人”が次の波をつかむ

これが生き残る手段だと考えます。

著者プロフィール

Lidix

ライディックス株式会社 代表 山上 晶則

東京都で不動産会社を経営しています。
将来的に不動産経済がどうなるかは、あくまでも二次的な要因が大きいため、「国内外の政治経済や金融」、「異業種で成功している事例」などを分析することを得意としています。

このブログでは、現在の経済状況を自分なりに読み解き、時代に合った経営や様々な投資、そして、「何かに依存しない生き方」を求めて日々勉強している内容をアウトプットするために書いています。



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