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満室でも安心できない:初心者がハマるレントロールの落とし穴チェックリスト(保存奨励)

価格も利回りも理想的なのに…「レントロール」を甘く見ると即アウトだった話

今回は実際にあったご相談をもとに一般化して解説します。

「利回り、いい。価格も手頃。しかも満室。」
こういう物件を見ると、どうしても気持ちが前のめりになります。

でも実務では、ここで一度ブレーキを踏みます。
なぜなら、数字が良い物件ほど、“数字の作り方”にも理由があるからです。

その“理由”を見抜くために欠かせないのが、レントロール
ただし、レントロールは「見れば安心」ではなく、見落とすと一発アウトになり得る落とし穴もあります。

今回は、初心者が見落としがちな「レントロールのチェックポイント」を、現場目線で整理します。


そもそもレントロールとは?

レントロールは、部屋ごとの

  • 賃料(+共益費)

  • 入居状況

  • 契約開始日・更新日

  • 敷金

  • 保証会社の有無

  • 備考(サポート費用、見守り、ペットなど)

といった収益の“内訳表”です。

ただし大事なのは、そこに書かれているのは「過去の運営結果」だということ。

だからこそ、鵜呑みにせず「買った後に回るか?」の視点で読みます。


1)入居者属性:法人契約は「一撃で崩れる」ことがある

レントロールに「法人」が混じっていたら、まず警戒します。

法人契約が社宅などで複数戸まとめて借りている場合、退去時に

  • 一気に空室が増える

  • 家賃収入が急落する

  • 立て直しに時間がかかる

という展開が普通に起こり得ます。

見た目の満室は“安定”ではなく、集中リスクの可能性があります。

さらに厄介なのが、レントロールだけでは分からない「詳しい属性」です。

  • 高齢者比率(孤独死・事故・相続連絡不能など)

  • 外国人比率(文化差トラブル、無断転貸など)

  • 生活保護受給者比率(自治体運用で違いが出る)

ここは資料では出ないことも多いので、仲介・管理会社にヒアリングして“運営難易度”を把握します。


2)間取り・面積:地方は「狭いだけで詰む」ことがある

面積は数字で並んでいますが、ここを流すと危険です。

見るべきはシンプルで、

  • ㎡→坪に直して坪単価を出し、相場と比べる

  • そのエリアで“選ばれる広さ”になっているか

の2点。

都内で埋まる面積でも、地方では「そもそも狭い部屋が選ばれない」ことがあります。

入居付けが崩れた瞬間に、利回りは意味を失います。


3)賃料・敷金:「家賃が揃いすぎ」は満室を疑う

初心者が見落としがちですが、家賃の並び方には情報が出ます。

  • 全部屋がピタッと同額に近い

  • 1部屋だけ極端に高い/安い

この場合は、必ず理由を取りにいきます。

特に「全部屋同額」は相場形成として不自然なことがあり、状況によっては“満室っぽく見せる”演出が入り得ます。

また、空室欄の「想定賃料」は強気に書かれていることがあるので、近隣の募集状況・管理会社の肌感で現実値に落とすのが基本です。

そして敷金。

敷金は買主が引き継ぐ扱いになるため、売買時の清算漏れがあると、退去時に自腹で返すことになります。

地味ですが、損が確定しやすいポイントです。


4)契約期間:「更新日」だけ見ても判断が狂う

レントロールの契約日は「更新日」しか書かれていないことがあります。
でも本当に知りたいのは、原契約日(最初に入った日)です。

原契約日が分かると、

  • 退去リスクの見立てができる

  • 原状回復費の想定ができる

  • 直近で入居が固まっていれば“満室演出”も疑える

という形で、判断精度が上がります。

結論、原契約日は必ずヒアリングです。

ここが曖昧なまま突っ込むのは、危ないです。


5)保証会社・備考欄:ここに“見えないコスト”が潜む

保証会社が付いていない部屋は、滞納時の回収難易度が上がります。

今の賃貸運営では、保証会社の有無はかなり重要です。(ちなみに弊社では必ず保証会社をつけます)

さらに見落としがちなのが、備考欄

  • 見守りサービス

  • 24時間サポート

  • 入居サポート費

などが書かれていることがあります。

そして重要なのは、これらが入居者から別途徴収され、オーナー収益に入らないケースがあること。

表面の家賃を安く見せるために費用が分解されていると、構造的に揉めやすくなります。

またペット可なら、現状ペット飼育中がいるかも確認対象です。

原状回復費が一気に跳ねることがあります。


まとめ:レントロールは「読む資料」ではなく「問いを作る資料」

最後に“これだけは”を短くまとめます。

  • 法人契約は集中退去リスクになり得る

  • 属性の詳細はヒアリングで取りに行く

  • 面積は相場(坪単価)とターゲット適合で見る

  • 家賃が揃いすぎは違和感として拾う

  • 想定賃料は参考。現実値で再試算する

  • 敷金清算漏れは地雷

  • 契約日は「原契約日」を必ず確認

  • 保証会社なしは運営難易度が上がる

  • 備考欄の別費用は“誰の収益か”まで見る

  • ペット有無は原状回復費に直結する

数字が良い物件ほど、“運営して回るか”を先に見抜いた人が強いです。


最後に

ちなみに今回の内容は、実際に弊社クライアント様から寄せられたご相談がきっかけになっています。

同じような状況で判断に迷う方も多いと思いますので、本記事で共有いたします。ぜひ参考にしてください。

著者プロフィール

Lidix

ライディックス株式会社 代表 山上 晶則

東京都で不動産会社を経営しています。
将来的に不動産経済がどうなるかは、あくまでも二次的な要因が大きいため、「国内外の政治経済や金融」、「異業種で成功している事例」などを分析することを得意としています。

このブログでは、現在の経済状況を自分なりに読み解き、時代に合った経営や様々な投資、そして、「何かに依存しない生き方」を求めて日々勉強している内容をアウトプットするために書いています。



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