すべては“熱量”が生む、見えない差
「仕事の返信が遅い人は、仕事ができない」
こう聞くと、少し極端に感じるかもしれません。
しかし、日々のビジネス現場で、実際にこうした印象を持つ方は多いのではないでしょうか?
もちろん、返信が遅い=無能、と単純に決めつけるのは乱暴かもしれません。
しかし、そこに「何かしらの本質が隠れている」としたら?
今回は、その背景にある「人と仕事の相性」「熱量と成果の関係性」について掘り下げていきます。
能力よりも“人柄”が大事な理由
ある事業家はこう言います。
「僕が一緒に仕事をしたいのは、“この人となら、どんな困難も楽しめる”と思える相手だ」
彼の会社では、映画、アート、海外公演など前例のないプロジェクトが日々立ち上がっています。
当然、現場では予定外のことばかりが起こり、想定通りに進むことなど皆無です。
そんなとき、ただため息をつく人よりも、ギャグ漫画のキャラクターのように
「うわー、ピンチきたー!」と笑える人が、結果的にもっとも頼れる存在になる。
つまり、チームにとって最も重要なのは「スキル」ではなく「空気と向き合える人柄」なのです。
なぜ返信が遅いのか?そこに“気持ち”があるかどうか
では、本題に入ります。
なぜ「返信が遅い人は、仕事ができない」と言われるのか?
その根本原因は、実にシンプルです。
「その仕事を、心から好きではないから」かもしれません。
例えば、好きな人からのLINEは、どれだけ忙しくてもすぐに返します。
逆に、気が乗らない相手の連絡は、つい後回しになってしまう。
仕事でも、まったく同じ現象が起きている可能性が高いです。
「やる気はあります」と言葉では言えても、本当にそのプロジェクトが“ワクワクする対象”でなければ、反応は鈍ります。
心から熱中できる仕事に対しては、指示されなくても自然と動けるし、返信も早くなる。
この小さな行動の差が、やがて大きな成果の差へと広がっていくのです。
鞭で動かす組織は、弱い
こうした状況を変えようと、上司やマネージャーが「もっと早く返信しろ」「やる気を出せ」と怒鳴ったとします。
でも、それは“鞭で動かそうとする”マネジメントに過ぎません。
たしかに、鞭は一時的に人を動かすことができます。
でもその効果はすぐに切れますし、鞭を持つ側にも大きなストレスと労力がかかります。
たとえば、かつてエジプトのピラミッドを作ったのは奴隷だと長らく信じられてきました。しかし近年の研究によれば、実際にそれを作ったのは自ら志願した庶民たちだったそうです。
その理由は――「ビールが毎日支給されたから」。
当時のビールは非常に貴重なもので、10日に1回程度しか口にできなかった時代です。
それが毎日飲めるとなれば、皆がこぞって「やりたい!」と手を挙げた。
人は、鞭よりも“楽しさ”と“報酬”で動くのです。
熱で動く組織が、最強
では、どうすれば熱で動く組織が作れるのでしょうか?
その答えは、「両思いのチームをつくること」です。
プロジェクトの目的と、メンバーの「やりたい!」という気持ちが噛み合った状態。
ある経営者は、自社のプロジェクトに対して「やりたい人だけを集める」という方式を採用しているようです。
募集をかけると、自然と「私がやりたいです!」という人が集まってくる。
だから、自然とレスポンスも早く、作業効率も驚くほど高くなる。
もしあなたのチームに、「返信が遅い」「動きが鈍い」と感じるメンバーがいるなら、その人自身に問題があるのではなく、“配置”が間違っている可能性が高いかもしれません。
結論:仕事は“好き”から始めるとうまくいく
「もっとやる気を出せ」と言わなければならないチームは、そもそも弱い。
強いチームとは、やりたくてたまらない人だけで構成されている組織です。
そんなチームには、指示も命令も必要ありません。全員が、自分から動いていきます。
最後に、こんな問いを自分に投げかけてみたらどうでしょう。
-
自分は今、本当に好きなことをやっているか?
-
自分のチームメンバーは、そのプロジェクトを“やりたくてたまらない”と思っているか?
-
鞭で動かしていないか? ビールを用意できているか?
仕事は熱量で変わります。
“熱で動くチーム”こそが、最強の組織だと考えます。