一般の方は週休二日制では土日がお休みで、不動産関係の人は火曜水曜休みが多いのではないでしょうか。
そして、しっかり休んでいるはずなのに、月曜の朝(木曜の朝)はなんとなく心身が重く、疲れが取れている感じがしない──。というような人が多い気がします。
まあ私の場合は、休日前に会食が入り飲みすぎてしまって次の日は一日寝て過ごしてしまうという最悪な休日を送っていますが・・・。
ということで休日を見直す必要に駆られこの本を手に取ってみました。
本書で学ぶことができるのは『正しい休み方』になります。
『世界の最前線で活躍する一流のビジネスパーソンの休日の過ごし方を知りましょう。そうすれば、心身のバランスを整えて、仕事と生活の両方を充実させることができて、あなたも世界の一流と同様に最高の1週間を始めることができるようになりますよ』ってことです。
平日の生産性を高めるためにも充実した休日を過ごす必要があるらしいのですが、日本ではまだまだ『休日』について十分に語られていないので楽しく読むことができました。
著者は休日が充実すれば仕事もうまく行くサイクルは下記のとおりになると言っています。
著者の衝撃な経験
マイクロソフトで本部長をしていた著者はとにかく仕事が大好きで、休日でもメールやチャットを見ているとドーパミンやアドレナリンが出てしまって休めなかったそうです。
ただ、そのような仕事を続けているうちに2度目の心身のバランスを崩してダウンしていまいました。
当時の働きぶりは、アメリカで朝の9時から18時まで働き、夜にヨーロッパとの会議、深夜3時頃に日本との会議をこなしていて、生活サイクルも乱れていたそうです。
また、アメリカに友人も家族もいなかったせいもあり、平日の疲れもあって、休日は1人ダラダラと家で過ごしてばかりいたそうです。
そんな時、メンターの副社長に「休みの日は何をしているのか」と問われ、映画のDVDをずっと見ていると答えたら、「君はもっと外に出た方が良い。じっとしていないで遊びに行こう」と声をかけてくれたようです。
誘いに乗って外に出ると、普段スーツでビシッと決めている副社長が革ジャン姿で大型バイクのハーレーダビッドソンに乗って現れ、すすめられるままに乗りました。
たった30分ほど公園の横を走っただけみたいですが、そのときの音と振動というのが忘れられない記憶になったそうです。
そして走り終わった後に副社長から
「このハーレーに乗ってリフレッシュするために、俺は仕事をしているんだ」
と言われてまたまた衝撃を受けたようです。
普段から高い集中力で成果を挙げ続ける副社長が、周りには見えない形でしっかり休んでいて、しかも「休むために働いている」のだということをそこで初めて知ったそうです。
働きすぎはルール違反という考え
その副社長にシアトルマリナーズの試合を連れて行ってもらったときも、掛けられた言葉が忘れられないと言っています。
『野球は3アウトになったら交代なんだよ。君の仕事ぶりは、4アウト、5アウトまでやっているように見える。あくまで、3アウトの中でどれだけ得点を重ねていくかが野球のルールだ。休日や夜に仕事をして、4アウト、5アウトと重ねていくなんて、ずるいことだぞ』
ただがむしゃらに働けば良いというわけではなく、仕事にも自分の精神や健康に重きを置くという「ルール」があることを学んだ著者は、より少ない時間で、より多くの成果を挙げるにはどうすればよいか、深く考えるようになり、その後、独立をして今は週休3日制・週30時間を基準に働いているそうです。
世界の一流が休日に実践していること
- 休日と仕事を切り離す
スポーツや趣味など目の前の楽しさに集中する
- エネルギーを再充電し、創造性や集中力を高める
横になってゴロゴロするだけでなく、本や芸術など世界に触れてみる
- デジタルデトックスの時間を作る
ビル・ゲイツも休日はデジタルから離れる時間を作っている
- 健康管理を徹底する
ジョギングを習慣化している人が多数
- 良好な人間関係の維持
友人や家族との時間を意識的に持つことで「オキシトシン」分筆
読書を重視する大物たち
休日の概念の違いとして、日本人は「疲れたら休む」という考えで、一流ビジネスパーソンは「疲れる前に休む」という温存戦略を徹底していることが大きいようです。
そして世界の一流ビジネスパーソンはほぼ例外なく、「読書」を重要視しています。
●ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
毎週1冊のペースで読書。ノンフィクション、公衆衛生や、エンジニアリング、小説など多岐にわたる
●マーク・ザッカーバーグ(メタCEO)
2週間に最低1冊を読む。異なる文化、信仰、歴史、テクノロジーについて学ぶことを重視
●ウォーレン・バフェット(投資家)
1日5~6時間を読書にあて、週末のほとんどを読書のに費やす
ちなみに、ある調査では日本企業で高い社内評価のもと成果を出している一流ビジネスパーソン962人に調査したところ、年間平均43.2冊の本を読んでいるようです。
月3冊以上ってことですね。
これに対して、成果が平凡な社員の年間読書量は平均2.4冊。一流社員は、実に一般社員の18倍も読書していることになります。
一応私は年間50冊以上は読んでいるので、平均値を越していることに安心しました。
土日を独立した休みと考える
私含めですが、ほとんどの人は、土曜と日曜は“連続した2日間の休み”と考えている気がします。
しかし、世界の一流ビジネスパーソンたちは、「別々の独立した休日」と考えているようです。
そもそも現在の週休二日制は“経営の神様”と言われた松下幸之助氏が「一日休養、一日教養」と唱え現在の週休2日制を導入するきっかけを作りました。
そして多くの一流ビジネスパーソンは、土曜を「チャレンジデー」、日曜を「リフレッシュデー」に位置付けて過ごしているようです。
チャレンジデーの土曜は、友人や家族と過ごすだけでなく、興味のあるワークショップなどに参加して未知の経験に挑戦することを意識する。
一方、リフレッシュデーの日曜では運動や読書などを通して身体、メンタル、脳のリフレッシュを図っています。
月曜のスタートダッシュを良いものにするためにも、土曜と日曜を使い分けるのがおすすめと推奨しています。
会社員全員が副業時代に突入する時代になる?
著者は週休3日を取り入れる企業はこの2〜3年で爆増すると考えています。
理由は2つ述べていて、一つ目が、人手不足。他の企業との差別化をするにあたり、「週休3日」というのは人材を集める魅力になると言っています。
もう一つが、AIの普及。一定の業務をAIに任せ、週休3日でも売り上げが下がらないモデルを確立する企業が増えてくるとも予想しています。
その上で、週休3日が定着した場合、著者は「全ビジネスパーソン副業時代」が到来する可能性があると唱えています。
確かに空いた時間、空いた日に副業をすれば、これは完全な追加収入になります。
例えば2日休んで1日副業で稼ぐとか・・・。
今の情勢では、所属する企業で1ヶ月の給料を1万円上げるのはとても大変ですが、副業なら1日で1万円稼ぐのは容易なことでしょう。
今働いている会社で短い時間で成果を出す仕組みを作り、生み出された時間を副業に充てれば、自身の給与アップにもつながっていきます。
休日はあらゆる可能性を秘めていると言えます。
この本をきっかけにして、休日を「働くことの付属品」だとは捉えず、自分の休みにちゃんと向き合ってみようと改めて思う今日この頃です。