ビジネスと不動産経済を本気で考えるブログ

原野商法の二次被害を防ぐために――身近にもあった一本の電話

原野商法の「二次被害」について書かれた記事を読みました。

昔購入した土地を手放せずにいる人に、売却の話が持ち込まれる。しかし、話を進めるうちに別の土地を買わされたり、追加のお金を支払ったりすることになる。そうした被害を伝える内容でした。

読んでいて、私は他人事とは思えませんでした。

実は、私の近親者にも、昔購入した原野のような土地を今も持っている人がいます。現在は保有しているだけですが、以前、同じような電話がかかってきたこともありました。

その土地の購入経緯や電話の詳しい内容まで、ここで断定することはできません。ただ、似たような話が身近にもあったからこそ、知っておいてほしいと思いました。

土地を売る話が、お金を払う話に変わる

記事を読んで特に気になったのは、土地を売るための話が、いつの間にかお金を支払う話へと変わってしまうことです。

売却と別の土地の購入を組み合わせ、所有者に差額を支払わせる。売るために必要だとして、測量費や広告費、手数料などを請求する。

こうした手口について、国民生活センターも注意を呼びかけています。

長く持ち続けてきた土地に買い手が現れたと思えば、期待する気持ちはあるでしょう。その期待が先に立つと、途中で求められる支払いも、必要な手続きとして受け入れてしまうのかもしれません。

「なぜ、売る側の自分が先にお金を払うのか」
「何の契約に署名しようとしているのか」

私は、この二つを立ち止まって確かめることが大切だと感じました。

「今度こそ」という気持ちを責められない

昔購入した土地であれば、そこには購入したときの期待や、支払ったお金への思いがあるかもしれません。

長く持ち続けてきた人にとって、突然の売却話は、問題が解決するきっかけに見えることもあるでしょう。

私は、そうした気持ちそのものを責めることはできないと思います。

だからこそ、家族が「そんな話を信じるなんて」と言ってしまうと、次に電話が来たとき、相談しにくくなるのではないでしょうか。

先に伝えておきたいのは、「土地のことで連絡があったら、一緒に確認しよう」という言葉です。

相手の説明を一人で受け止め、その場で結論を出さなくて済む。それだけでも、被害を防ぐ助けになると思います。

家族で決めておきたい三つのこと

二次被害を防ぐために、私は次の三つを家族で共有しておきたいと考えています。

  • 突然の電話では、契約や支払いを決めない。
  • 費用を求められたら、理由と契約内容を書面で確認し、家族や第三者に相談する。
  • 不審な勧誘は断り、困ったときは消費生活センターに相談する。

国民生活センターも、契約前に家族や周囲へ相談し、不審に感じたら断ることを勧めています。困ったときの相談先には、消費者ホットライン「188」があります。

大切なのは、費用の名前だけで判断しないことです。

「測量費だから必要なのだろう」「手数料なら仕方がない」と受け入れる前に、誰が、何のために、どのような条件で行うのかを確認する。そのための時間を取ってほしいと思います。

現時点の結論

私の近親者も、昔購入した原野のような土地を今も保有しています。そして、以前、似たような電話があったという身近な事実があります。

だから私は、この問題を昔の出来事として片付けてはならないとおもいました。

土地をどうするか、すぐに答えが出ないこともあると思います。それでも、新たな被害を防ぐためにできることはあります。

突然の売却話に、その場で返事をしない。
契約や支払いの前に、誰かと一緒に確認する。
家族も、相談されたときに相手を責めない。

まずはこの三つを共有することから始めたいと思います。

この記事が、ご家族の持つ土地や、以前かかってきた電話について話すきっかけになれば幸いです。


参考:

著者プロフィール

Lidix

ライディックス株式会社 代表 山上 晶則

東京都で不動産会社を経営しています。
将来的に不動産経済がどうなるかは、あくまでも二次的な要因が大きいため、「国内外の政治経済や金融」、「異業種で成功している事例」などを分析することを得意としています。

このブログでは、現在の経済状況を自分なりに読み解き、時代に合った経営や様々な投資、そして、「何かに依存しない生き方」を求めて日々勉強している内容をアウトプットするために書いています。

SNSで最新情報を配信しています

関連記事

  • 今さら聞けない不動産投資の基本のキホン③~10の質問編~
    2020年11月26日

  • 恐るべし中国!アントの3兆円上場延期について解説します。
    2020年11月16日

  • 日経新聞の『不動産価格が「下がる」が9割』の記事についてお答えします!

    日経新聞の『不動産価格が「下がる」が9割』の記事についてお答えします!
    2020年5月28日

  • 新柄コロナの中、海外のシェアハウスは今?

    新柄コロナの中、海外のシェアハウスは今?
    2020年4月10日

  • Lidix Online

    ライディックス株式会社のオウンドメディアです。ライディックス株式会社は、東京都練馬区より投資用アパート、戸建住宅を提供している会社です。

    Lidix Onlineは主にライディックス株式会社の代表 山上が考えるビジネス・マーケティングの視点から不動産を取り巻く環境について、情報発信を行っています。

    私達の事業分野である不動産は、あくまで社会経済の一部です。より堅実な投資とは何かを考察するため、日々マクロな視点とミクロな視点で社会情勢を追いかけています。


  • 新着記事

    • 貸付用不動産の相続税評価はどう変わる? 通達案と最高裁事例を調べてみた 2026年10月24日

    • 外国人入居から考える、築古住宅の可能性と受け入れる側の責任 2026年10月22日

    • 立退料を払えば退去してもらえる? 仕入れ判断と入居者との対話を考える 2026年10月18日

    • 原野商法の二次被害を防ぐために――身近にもあった一本の電話 2026年10月16日

    • タマホームの決算を見て考えた、いい時にこそ次の手を 2026年10月7日

    アクセスランキング

    • なぜ飲食店が休業要請で危険な状況になるかを会計の視点からお答えします。

      なぜ飲食店が休業要請で危険な状況になるかを会計の視点からお答えします。 2020年7月6日

    • 不祥事は「人」より「設計」で起きる。プルデンシャルの件を不動産業界の経営として読でみた 2026年1月26日

    • 今さら聞けない日本のバブル経済とバブル崩壊 2020年11月12日

    • メールやLINEの「返信」が遅い人は仕事ができない説

      メールやLINEの「返信」が遅い人は仕事ができない説 2020年7月9日

    • やはり、優秀な経営者がいる会社には投資するべきなのでしょう。

      やはり、優秀な経営者がいる会社には投資するべきなのでしょう。 2020年7月20日