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有名人が不動産投資トラブル!

元セクシー男優のしみけんさんが、不動産投資でトラブルになりかけていることをXで明かし、話題になっています。

 

 

しみけんさんは、購入した物件の決済直前に、物件の入居者が一斉に退去予定となったことを知らされたという。「人気のない物件を人気がある物件に見せかけて売り抜く手法に引っかかりました」として、同様の手口に引っかからないよう注意を呼び掛けています。

しみけんさんが不動産投資を始めたのは10年ほど前らしいです。これまでに、都内の区分マンション3戸、戸建て1つを購入していたそうですが、賃貸業の拡大を狙い、遠方の集合住宅にも挑戦しようと思って購入した矢先の出来事だったようです。

どのような物件だったのか?

問題の物件は、新潟県の木造アパートだったようです。

契約の時点では8戸中6戸が入居中で現況利回りが13.5%という利回りでした。地方の木造なので標準的利回りだとは思いますが、不動産投資としては比較的買いやすい1800万円という金額が魅力的ですね。

木造アパートの決済日前日の2月13日夕方に、売買の仲介をした不動産会社から「大変良くないお知らせがあるのですが…」との電話があったそうです。

内容は1度に4戸の退去が決まったとのことでした。

言われるまま決済を迎えることができないしみけんさんは、弁護士らとも対応を相談。2月14日、本来決済するはずだった日に不動産会社に行き、弁護士が作成した書面で「残代金支払い日の延期についての申し入れ」を行ったそうです。

期日である1カ月後までに、事実関係の確認を進めるとともに、改めて物件の購入に関して検討を行うという。

やり取りの違和感

しみけんさんは、これまでの不動産会社とのやり取りを振り返り、何点か気になった点はあったと話しています。

あるインタビューで違和感を語っていました。

「まず、連絡が遅かった。それなのに僕に対する指示は多い。ネット銀行の振込の上限額を何度も確認してきました。あまりに細かい指示があったので、僕も『なんでそこまでしなきゃいけないの?』とちょっと怒りましたよ。さらに、途中から三為契約となり、不動産会社に対しては違和感を覚えていました」

途中から三為契約になるって・・・。かなり怪しいですね。

三為契約になるってことは、しみけんさんが買う前に多分業者でしょうけど、その業者が売買価格よりも下回って購入し、その後しみけんさんが決済を迎えるということになります。

色々違和感はあったものの、物件自体は“良い”と判断して進めていたようです。

「退去する4人のうち3人に関しては、契約日である1月31日よりも前に退去が決まっていたことが判明しています。現時点では言えないことも多いのですが、証拠は押さえています」

と、しみけんさんは答えています。

 

弁護士の見解

 

不動産取引に詳しい弁護士曰く

「売主側が、契約前に退去の通知が来ていることを知りながら売主に説明しなかった、ということであれば、契約不適合責任を問われ、売主や仲介会社が損害賠償責任を負う可能性があります。さらに、実際は全空物件なのにほとんどが埋まっているように装うなど、かなり悪質なケースになると詐欺罪に問える可能性もあります」

一方で、契約後にたまたま退去が出てしまうことはあり得ることであり、避けることはできない。「売主側に悪意があったかどうかを買い主側が立証することはハードルが高く、刑事責任を追及するのは非常に難しい」という。

私自身、不動産投資物件を販売したり、買って保有したりをしていますが、この事案を知ってさらに販売にも保有するにも注意が必要だと感じいています。

やはり契約時に満室かどうかだけでなく、退去予定がないかについて仲介会社や管理会社に対し確認してもらい、文書で残しておくことは有効でしょう。

退去予定があったことを伝えなかった、という理由だけでは、売主側の責任を追及しにくいため、メールでのやり取りも残しておくことが重要かと思います。

 

著者プロフィール

Lidix

ライディックス株式会社 代表 山上 晶則

東京都で不動産会社を経営しています。
将来的に不動産経済がどうなるかは、あくまでも二次的な要因が大きいため、「国内外の政治経済や金融」、「異業種で成功している事例」などを分析することを得意としています。

このブログでは、現在の経済状況を自分なりに読み解き、時代に合った経営や様々な投資、そして、「何かに依存しない生き方」を求めて日々勉強している内容をアウトプットするために書いています。



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