よくネットや報道で「老後資金2000万円」問題のことが書かれていますが、実際2000万円の根拠って知っていますか?
今回は、2000万円の根拠についてお答えします!
そもそも、金融庁が長寿によって会社を定年退職した後の寿命が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示したのが発端です。
まずは、高齢夫婦の収入と支出を見てみます。
下記の図は、厚生労働省から出ている資料です。
この資料を元に老後の必要資金を整理すると、下記のような計算になります。
約1300万円~2000万円は必要という結果になります。
実際の高齢者はどのように対応しているかは、2017年金融庁の資料から導き出します。
- 2017年の高齢夫婦無職世帯の平均純貯蓄額2484万円
- 2017年の定年退職者の退職給付額は平均1700万円~2000万円程度
になるので、今は貯蓄額を考慮し、「毎月5万5000円を切り崩しながら生活している」となります。
つまり、多くの高齢者が退職後の生活において、主に年金と退職金でやりくりできているという事実が分かります。
しかし、これから先のことはどうなるのか・・・?
そのことをふまえて金融庁は警告音をならしたのではないでしょうか。
現状に比べて将来、老後資金が不足する原因として考えられること
- 寿命が延びると推測される
- 退職金が減少傾向
- 年金支給額が減少すると推測
が主に考えられます。
また、さらに注意しなくてはならないこともあります。
再度、上記の高齢夫婦の収入と支出をみて下さい。
支出データのうち“住居費”は月1万4000円となっています。
この住居費1万4000円という安さは、現在の高齢者夫婦の持ち家率が高い世代のため、住宅ローンもすでに終わっているのではと予想されます。
たまに雑誌とかでも、『持ち家か?賃貸か?どっちがお得?』という議論が多くされていますが、生涯賃貸住宅に住むと決めている方は、将来の支出(1300万~2000万)に家賃分を更に上乗せする必要があることを考慮した方がいいでしょう。(住宅ローンが65歳以上も続く可能性がある人も同じです。)
そこで、金融庁の報告書よると主に以下のことが書いてあります。
- 適切なライフプランを立てること
- 自助の充実
- 資産寿命を延ばすこと
としています。
ちなみに、2の「自助の充実」とは、自分が望む生活水準に対して、必要となる資産や収入が足りないと予想される場合、状況に応じて就労継続の模索、支出の再点検などの「自助」の充実を図ることが必要とのことです。
このような内容を公表するということは、結局、老後は年金などに頼らず「自分のことは自分でなんとかしろ」と言われているようでもあります。
さらに、今回の新型コロナの影響もプラスして、今後は大規模なリストラも考えられますし、日本の企業風土であった終身雇用も難しくなってきています。
今こそ、家計の“資金繰り”を見直し、少しでも余剰資金を作って投資などに回す必要があります。
投資といっても、株式投資や不動産投資等ばかりではありません。
自分のスキルアップのためにお金をかけるのも、自己投資です。
将来が不安な今、もう一度『お金の使い道』を考える必要がありそうです。