新型コロナの影響が出ている業界は、旅行・飲食・ホテル・イベント関係が主なところでしょうか。
その中でも、不動産に関係するのはホテルです。
2020年はオリンピックイヤーでもあり、業界にとってはかなりのビジネスチャンス。
数年前から建設ラッシュで、供給量がかなり多くなりました。
下記の表は『ホテル客室数の推移』です。
出所:観光庁「宿泊旅行統計調査」よりみずほ総合研究所
稼働率80%を超えていたホテル業界は、新型コロナの影響で苦境に立たされました。
そんな中、更なる加速で不動産を買いまくっているのが『アパホテル』
アパホテルは、2009年の時点で6ホテルしかありませんでしたが、リーマンショック後の10年で649ホテル、客室数は10万室を突破しました。
アパホテルの2019年の売上1371億円、経常利益335億円。経常利益率は約25%でホテル業界では圧倒的な数字を誇ります。
アパホテルの戦略の中で2010年から始まった「第1次頂上作戦」というものがあり、東京を中心に開発をしたようです。
2010年といえばリーマンショックなので、各デベロッパーが用地購入を見送る中、当然のように安い金額で仕入れを行ったのでしょう。
「第2次頂上作戦」は2015年から大阪・名古屋・広島・博多などの地方中核都市を中心に展開したようです。
そして、新型コロナの猛威が振るう中、4月から「第3次頂上作戦」を開始すると宣言しています。
上記の写真は、日本最大ホテルのアパホテル横浜ベイタワーです。
客室が2311室もあるホテルで、オープン前は稼働率がせいぜい40〜50%だろうと言われていたのが、“ラグビーワールドカップ”にぶつけるという戦略眼で、オープン2日目には稼働率100%を達成し、その後も90%確保しているというのでさすがとしか言いようがないですね。
現在、新型コロナの影響で観光業全般が不振に響く中、今後、日本で伸びる産業としてあくまでも“観光業”と豪語しています。
当然、今年はインバウンドも下がると予想しているようですが、将来は4000万人、5000万人となってもおかしくないと考えているようです。
「圧倒的な日本一」を目指し、全ホテルのシェア10%を取りに行くとするアパホテルに、今後も注目していきたいと思います。