ライザップといえば、「結果にコミット」で有名な会社ですね。
2019年3月期の決算では、当初の230億円の黒字予想から大幅に下ブレして、93億の赤字に転落しました。
しかし、今期の中間決算では27億の営業黒字を発表。
色々調べると、ライザップは積極的なM&Aで急成長した会社なんですね。
ライザップグループの会社数は、2015年の15社から18年には85社まで増えています。
すごい数です。。
そして、ライザップの決算時に話題となった‘’負ののれん‘’についても調べてみました。
【のれん】
・企業買収時の価格と純資産の差を言います。純資産よりも高い価格で買収すると発生する。逆に純資産よりも安く買収した場合は「負ののれん」がうまれ、営業利益に加算される。
また、ライザップは国際財務報告基準(IFRS)を適用していて、日本の会計基準にある‘’特別損益‘’という区分がないため、臨時的に生じた利益や損失も営業利益を加減算してしまいます。
一見、純資産よりも安く企業を買収できれば、なんとなくお得感があるように見えますが、よく考えると、100万円のロレックス(不動産屋っぽい時計ですみません。)を50万円で売られていれば、通常であれば「えっ?」「なんで?」って思うのが普通です。故障しているのか、傷がついているとかなんらかの不具合があるから安いって想定するのが普通ですが、当時のライザップの買収時の条件が、純資産よりも買収金額が低い企業であるため、‘’負ののれん‘’を営業利益として計上し続け、IFRS基準にのっとってあたかも本業が儲かっているとの見方ができる決算だったみたいです。
純資産よりも買収金額が低い会社は、先ほどの時計の話と一緒で、何か不具合のある会社、もしくは今後も赤字を垂れ流す会社と想定できます。
そういう会社をひたすらM&Aをして‘’負ののれん‘’(営業利益)を計上し続けていたようです。
そして、この状況を打破するために呼ばれたのが、『プロ経営者』と言われた松本晃氏ですね。
松本晃氏・・・ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の社長在任9年の間に年間売上を4倍に伸ばし大幅な黒字を達成、続くカルビーでは8期連続で増収増益を続けるなど、「カリスマ経営者」と言われていました。
そんな松本氏が提案したのは、全てのM&Aを凍結し、再建するというものです。
その時の様子を想像するに、他の役員から相当な反対やプレッシャーなどがあったと思いますが、それらをちゃんと押さえ込んで遂行するあたりは、ライザップの瀬戸社長もやはり只者ではないですね。
そして、グループ全体で1200店舗を精査し、継続・撤退・売却を進めたようです。
その後残念ながら松本氏はライザップを離れますが、今回の立役者なのは間違いないですね。
ライザップの今後の動きが楽しみですね。いちファンとして、決算も楽しみしています。
今回のライザップのことを調べて思ったのは、経営者になると間違った道に進んでしまっても誰も何も言ってくれない恐怖です。そして、撤退や変化することに対しては勇気を持って進むことが重要で、他の人の意見もちゃんと聞く耳も持たなくてはと改めて思いました。