現在、若者に人気があるアプリ『Tik Tok』に危機が訪れています。
なぜこんなにも問題が大きくなったのでしょう。
そもそも『Tik Tok』は、中国のIT企業である“バイトダンス社”が開発した動画投稿アプリです。
YouTubeと違うのは15秒から1分ぐらいのショート動画を投稿し、ユーザー同士で楽しむというアプリです。
そして今このアプリが、世界を巻き込む大問題になっています。
すでにインドでは『Tik Tok』の禁止を発表し、アメリカもオーストラリアも禁止を検討中と報道されています。
また、一方でアメリカのティックトック事業をマイクロソフトが買収をしようとしています。
ティックトックを禁止・規制を検討している国と中国の関係
- アメリカ:中国と貿易戦争が過熱中。
- インド:中国国境付近での銃撃戦。
- 香港:「国家安全法」が強制実行された。
- オーストラリア:前々から外交悪化中。
- 日本:尖閣諸島問題などで外交トラブル。
Tik Tok
ティックトックは世界に約8億人、アメリカでは1億人、日本では950万人のユーザーがいます。
メインユーザーは10代~20代の若者で、男女比は男性が55%で女性が45%と言われています。
トランプ大統領はティックトックの何を懸念しているのか?
一番はアメリカで集めたユーザー情報を中国の独裁政治に提供されて、国家安全保障における危険があるとみているからです。
今までの中国が行ってきた歴史からみても、将来的に中国政府がティックトックに共産党幹部を送り込んで、世界中のユーザー情報を中国政府が利用する可能性は否定できません。
実際に、2019年にはアリババのジャック・マーやテンセント、レノボ・グループ等の中国を代表する企業の創業者が退任して、共産党幹部が送り込まれています。
このことからも民間企業を国営企業にしていることが分かります。
そして、トランプ大統領は、将来ティックトックが国営企業になって、世界のユーザー情報が流出することを懸念しているのです。
いわゆる“スパイ”行為ですね。
ティックトックによる情報操作
中国の狙いは特定の思想や世論・意識・行動を誘導する意図があり、中国政府は世界中の若者に対して中国共産党の思想を拡散しようとしている可能性もあります。
実際にあった例で、アメリカに住む17歳の少女がティックトックを利用して中国政府によるウイグル人弾圧を批判した動画を投稿したところ、アカウントが停止される事態が起こっています。
この件に関してティックトックは、中国政府からアカウント停止をするよう圧力を受けたと認めています。
そして、トランプ大統領は、『ティックトック』と『WeChat』との取引を禁じる大統領令を発令しました。
現在、マイクロソフトがティックトック買収を検討しているようです。
買収する理由としては、将来の広告ビジネスが飛躍的に大きくなると期待されての買収提案のようですね。
いずれにしても、米中貿易摩擦がアプリにまで影響が出ていることが今の時代を表していますね。