年収数億円でも幸せになれない?元GS投資家が語る「真の豊かさ」の転換点
「稼いでいるのに、なぜか満たされない」
これ、経営者でも投資家でも、わりと誰でも一度は通る感覚だと思っています。

最近、元ゴールドマン・サックス証券のマネージング・ディレクターで、現在は投資家として活動する田中渓さんの話を聞いて、刺さるポイントがいくつもありました。
結論から言うと、田中さんは“幸福”を「資産」や「地位」ではなく、もっと構造的に定義していました。
今日はその要点を、僕なりの視点で整理します。
1. 不幸せな富裕層に共通するのは「外側の物差し」
田中さんが言う“不幸せな富裕層”の共通点はシンプルで、幸福の尺度を「お金の量」や「他人との比較」という外側の物差しに置いていること。
サハラ砂漠250kmを走る極限体験の中で、「競う」「見栄を張る」「SNSでキラキラを演出する」みたいな感情を、全部砂漠に置いてきた。
この表現、強いですよね。
僕も仕事柄、物件の価格・利回り・融資条件・規模…数字の世界で生きています。
ただ、数字を追うほどに不思議と起きるのが、“比較の沼”です。
-
あの会社はもっと大きい案件をやってる
-
あの人はもっと早く資産を増やしてる
-
こっちは必死なのに、なんで…
こういう感情が出た瞬間、幸福って一気に他人に握られるんですよね。
だから僕は最近、意識してます。
「自分が納得しているか」という内側の物差しを、ちゃんと残すこと。
2. 幸福の40%は「意図的な行動」で決まる
田中さんは、幸福を決める割合をこう整理していました。
-
遺伝:50%
-
環境(お金や住まいなど):10%
-
意図的な行動:40%
ポイントはここで、お金や住まい=環境は、幸福に与える影響が“せいぜい1割”という話。
これ、身も蓋もないようで、むしろ救いがあります。
「環境を整えないと幸せになれない」じゃなくて、自分の行動で40%は取り返せるから。
田中さんが挙げていた“意図的行動”は、特別なことではなくて、
-
他者との関わり(良い人間関係)
-
感謝とギブ(還元・ノーブレスオブリージュ)
-
能動的な運動(自分の意思で体を動かす)
この3つって、結局「人生の土台」ですよね。
不動産も似ていて、物件スペック(環境)を整えるのは大事だけど、結局最後に効くのは運用・改善・関係者との信頼・継続の仕組み=“行動”なんです。
3. 幸せは「頂上」じゃなくて“6合目”にある
田中さんの比喩で好きだったのがこれ。
幸せは登頂の瞬間ではなく、山の6合目や7合目を登っている時の充実感にある
頂上に着いた喜び(ドーパミン)は一瞬。
でも、目標を見据えて登っているプロセスには、持続性がある。
これ、事業も投資も同じです。
売上が伸びた、利益が出た、良い土地が仕入れられた。
その瞬間はもちろん嬉しいけど、正直、喜びって数日で日常に戻ります。
むしろ幸福を感じるのは、
-
仕入れの目線が磨かれてきた
-
金融機関との信頼が積み上がってきた
-
チームが自走し始めた
-
次の打ち手が見えてきた
みたいな、“積み上がっている感”の方だったりします。
「山を登ってる最中が一番幸せ」って、派手さはないけど、強い考え方です。
4. 好奇心を追い、次世代へ還元する
田中さんは「be(どうありたいか)」として、
-
絶えざる好奇心(未知を解き明かしたい)
-
社会との接続(次世代や教育・福祉への支援)
このあたりを挙げています。
個人的に、ここがいちばん“富裕層の本題”だと思っています。
資産が増えるほど、人生の問いが「いくら増やすか」から「何に使うか」「何を残すか」に移る。
そして、その問いに答えられる人が、たぶん一番強い。
まとめ:豪華客船ではなく「自分の漕ぐカヌー」で生きる
田中さんの幸福観を比喩で言うと、
豪華な客船の特等席でじっとしていることではなく、自分の漕ぐカヌーで未知の川を遡る状態。
資産は安心材料にはなる。
でも生きがいは、「自分が動いていること」「好奇心で進んでいること」「誰かに還元できていること」に宿る。
僕も、不動産という仕事をしている以上、数字からは逃げられません。
ただ、数字“だけ”になった瞬間に、人生は乾きやすい。
だから、今日の自分に問いを置いておきます。
-
これは外側の物差しで焦ってないか
-
意図的行動(人間関係・感謝・運動・ギブ)をサボってないか
-
今、自分は6合目をちゃんと味わえているか
この問いが残っているうちは、まだ大丈夫な気がしています。




