『DIE WITH ZERO』を改めて読み直して──“お金を残す人生”から“使い切る人生”へ
久しぶりに『DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)』を読み直した。

初めて読んだときは、「お金を使い切って死ぬ」というメッセージが強烈すぎて、どこか“理想論”のように感じていました。
けれど、歳を重ね、経営者としても父としても節目に差し掛かった今読むと、まったく違う本に見えたことが不思議です。
■ 若い頃の「努力の報酬」を、いつ受け取るのか
若い頃は「貯めること」「残すこと」が正義だった。
経営も同じで、キャッシュを厚くし、リスクを減らすことばかりを考えてきた。
だがこの本は、真逆を突いてくる。
「経験は利息を生む資産である」
この言葉を改めて読むと、ハッとする。
資産運用では時間を味方につけることが大事だが、人生も同じだ。
若いうちに“経験という投資”をしておくほど、後年に“幸福の利息”が積み上がっていく。
つまり、お金は時間に変えるための道具であり、時間こそが本当の富ということですね。
■ 「ゼロで死ぬ」とは、後悔ゼロで生きること
今回の再読で最も響いたのは、“ゼロで死ぬ”という言葉の本当の意味だった。
お金を使い切ることが目的ではなく、「後悔を残さず生きる」という哲学です。
これまで「いつかやろう」と思って先送りにしてきたことがいくつあっただろう。
行きたかった場所、会いたかった人、挑戦したかったこと。
お金や仕事の都合で延ばしてきた“その時間”こそが、実は一番の浪費だったのかもしれない。
■ 人生の黄金期は「お金」「健康」「時間」が交わる瞬間
本書には、「お金」「健康」「時間」が交差するポイントこそ人生のピークだとある。
そして、そのピークを意識的に設計しなければ、
「お金はあるけど動けない」「時間はあるけど体力がない」という状態になる。
私は今50代。

まさにその“黄金期の終盤”にいる。だからこそ、この本を読み直して、「これからの10年をどう生きるか」を真剣に考えるようになった。
仕事も大切だが、「経験を買う時間」をスケジュールに組み込むことを意識しています。
■ 与えるタイミングも「今」
もう一つ印象に残ったのは、“お金を残すより、生きているうちに与える”という考え方。
子どもたちが最もお金を必要とするのは、自立のタイミングだ。
親が80歳になって遺産を残すより、30代で家族を支援する方がはるかに意味があるこの発想は、会社経営にも通じる。
「次世代に資産を残す」のではなく、「次世代にチャンスを残す」。
これが本当の“DIE WITH ZERO”の精神だと思う。
■ まとめ:「思い出ポートフォリオ」を積み上げる人生へ
再読して思ったのは、
人生は資産ポートフォリオよりも、思い出ポートフォリオの方がはるかに大事だということ。
不動産も、投資も、結局は“誰と、どんな時間を過ごしたか”に帰着する。

仕事で結果を出すのはもちろん大切。
でも、それ以上に「どう生きたか」を意識していくことが、これからのテーマかもしれません。
『DIE WITH ZERO』は、私にとって「お金の本」ではなく、「時間の本」でした。
そして改めて確信しました。
人生の成功とは、使い切ることではなく、味わい尽くすことだ。
📘引用
「人生の目的は、最大の富を築くことではない。最大の思い出を築くことだ。」
この言葉忘れないようにしたい・・・。




