不動産業やビジネスの現場では、スピードが命…なんて言われることも多いですよね。でも僕はどちらかというと「誰よりも早く動いた人が勝つ」とは限らないと思っています。
今回は、そんな常識をちょっと疑いたくなる考え方——「セカンドペンギン理論」について考えていきたいと思います。
🐧セカンドペンギンとは?
この理論の由来は、実際のペンギンの行動から来ています。
南極や南アフリカなど、海辺で暮らすペンギンたちは、エサをとるために冷たい海へ飛び込まなければなりません。でも、海の中にはシャチやアザラシといった天敵がうようよしています。
そこでどうするかというと、ペンギンたちは氷のふちに並びながら、誰が最初に飛び込むかをじーっと様子見しているんです。
最初に飛び込む「ファーストペンギン」は勇敢ですが、命の危険もある。
しかしその1羽が無事であることが確認されると、次に飛び込む2羽目=セカンドペンギンは、より安全に、かつ効率よくエサにありつけます。
つまり、セカンドペンギンは「リスクを見極めつつ、チャンスを逃さず飛び込む存在」ということになります。
💼ビジネスに当てはめるとどうなる?
このセカンドペンギンの考え方、実はビジネスや不動産業界でも非常に重要な視点になります。
たとえば新しい技術やエリアへの参入。
「一番乗り」で話題にはなっても、整備されていないルール、予期せぬ出費、顧客ニーズのズレなどで失敗するケースも珍しくありません。
一方、ファーストの動きをしっかり観察し、トレンドや顧客の反応を見てから“的確なタイミング”で動くセカンドペンギン的プレーヤーは、リスクを抑えつつ成果を最大化できます。
🏙️不動産業界での具体例
ここで、不動産業界に置き換えてみます。
✅ 例1:再開発エリアへの投資
あるエリアが再開発の話題で盛り上がっているとき、先に動いた業者(ファーストペンギン)は、確かにメディアにも取り上げられて目立ちます。でも…
- インフラ整備が遅れた
- 地元住民の反対で計画が頓挫
- 想定以上の建設コスト
などの落とし穴が待っているケースもあります。
そこを冷静に見極めて、「状況が整ったタイミング」で動いた業者は、初期投資を抑えて確実に利益を出すことができる。
まさに“セカンドペンギン”型の成功です。
✅ 例2:新しい不動産テックの導入
ChatGPTのような生成AIや、不動産価格予測のツール、業務自動化のSaaSなど、新しい技術は日々登場しています。
「とりあえず導入!」と飛びついた会社がうまく使いこなせずにコスト倒れする一方で、
- 他社の導入事例を分析し、
- 使えるものだけを厳選し、
- 自社の業務に合うようチューニングして導入
という“セカンドペンギン”アプローチを取った会社は、実務への定着と効果の最大化に成功しているようです。
⚖️「動かない人」と「セカンドペンギン」の違い
ここで誤解してはいけないのが、「セカンドペンギン=慎重に動かない人」ではないということ。
動かない人は、ずっと様子見して終わる人。
一方セカンドペンギンは、「状況を見極めた上で、ここだ!というタイミングですぐに動ける人」です。
つまり、決断力とスピードを兼ね備えた“戦略的後発者と言えます。
📝まとめ:あなたはどのペンギン?
- ファーストペンギン:勇気ある挑戦者。ただしリスクも高め。
- セカンドペンギン:慎重かつ俊敏な実行者。成果を取りにいけるタイプ。
- 何もしないペンギン:ずっと様子見して終わる。チャンスを逃す。
今の自分のスタンスを見直してみて、「セカンドペンギン的思考」で動けているか、チェックしてみるのもいいかもしれません。
時代は常に変化しています。
“最初じゃない”ことを恐れる必要はないと思っています。
「賢く動く2番目」が、最終的に一番おいしいところを持っていく。
そんな選択が、これからの時代の勝ち筋かもしれませんね。