昔から何となく今の仕事などに行き詰まった時、ひたすら本を読むという習慣があります。
去年の夏ぐらいから、本業である不動産事業に関して、「近い将来今と同じことをやっていても難しい時代が来る」と勝手に予測して様々な本を買いあさり、将来の備えになればという思いでひたすら読んでいます。
ちなみに、本業の一つでもである不動産投資の本も毎年新刊が出るたびに数冊購入しています。
今の私には、不動産投資の本から学ぶものはほとんど無いのですが、収益物件を販売している関係で、“その年の収益物件トレンド”を必ず調べて販売するよるように心がけています。
最近ではとにかく今の自分に必要な、もしくは将来必要になるであろう“本”をとにかく買いまくり現在のやるべき仕事よりも最優先に時間を取り知識を詰め込んでいる状況です。
ただ私の本の読み方は決して“読書”ではありません。今も同時に6冊の本を同時に読んでいます。いわゆる“多読”ってやつです。
多読から得たノウハウや知識をメモにまとめ、実践で活用していくことで今があります。
そんな私の方法を少しお伝えします。
なぜ多読?
経営者の自伝などは基本全部読みますが、ほとんどのビジネス書に関してはすべて読むことは基本していません。
なぜなら“読む目的”が明確に決まっているからです。
目的が決まっていれば不要な箇所は飛ばし読みができるので一度に多くの本を読むことが可能になります。
大事なことは本を読んだ知識で何をするかです。インプットするだけではただの自己満足になってしまいます。
読書=多読は投資活動と一緒です。
読んだ内容を今の仕事に、将来のことに生かして結果を出すのが本当の目的なはずです。
速読が目の動かし方を訓練して本をすべて読む技術であるなら、多読は余計な部分を切り捨てる技術だと考えています。
多読は投資活動なので単に本を多く読みこなすというのではなく自分の課題や目的・目標にとって必要な情報だけが得られれば、それだけで十分と考えています。
上場会社での役員経験を多読で乗り切った経験
小さいころからもともと本は好きで様々なジャンルを読んでました。
今のような多読ではなくきっちり全部読み切る“読書”でした。
そんな私が“多読”にたどり着いた理由としては、リーマンショック後に転職した上場会社での経験が大きいです。
入社後、約1年半で執行役員になった私は、毎月月初の月曜日に行う経営会議に出席することになりました。
そこでの経営会議は円卓のテーブルに社長以下、役員、社外取締役も全員参加して現状の報告はもちろんのこと、将来の課題や対策、部下への教育方法、コンプライアンスなどについて発表、意見交換などをしなくてはならなかったのです。
最初の会議は散々だったと記憶しています。
不動産業だから、とにかく「数字だけ上げていればいいだろう」という考えのまま参加した私は、周りの役員達のビジネススキルやビジネス用語を使う質問に対して何も答えられませんでした。
最初の会議でボコボコにされた私は、次の会議までの1か月間でこの状況を打破するために経営や経済、会計の本を一気に読まなければならなくなり、多読に行きつきました。
そして前回の会議での“やり取り”を思い出しながら重要な部分だけを読むことにして、聞いたこともない単語などは無視して読み進めても不思議と頭に入ってくる感覚を掴むことができたのです。
2回目からの会議については、多読の成果もあって無事に終えることができ、その後、約5年間執行役員として業務を務めることができました。
多読は“投資”という考えで本を読む
本を読んだ内容などを経営者仲間や後輩などに話してあげると、こう言われることが多々あります。
「社長、忙しいのによく本を読む時間ありますね?」
もしくは、相手側から「最近、忙しくて本を読む時間がなくて・・・」という言い訳的な言葉。
本を読めば読むほど時間が生まれるよ。本を読まないから時間がないんだよ
なぜなら本を読まない人は他人の知恵や経験から学ぶことなく、何もかも独力でゼロから始めてしまうから時間がかかります。
本を読めば“そこに近道を行く方法”が書いてあるのに・・・。
ビジネス書には世界的な経営者や様々なビジネスで成功した人のノウハウが詰まっています。
血のにじむような努力をした成功者の数十年分の試行錯誤がたった数時間で理解できるように本の中には情報が整理されています。
成功した人の方法を学んで、現在自分が置かれている“状況”に置き換えて、そこに自分なりの“応用”を加えることが成功への道筋ではないかと思います。
まとめ
繰り返しになりますが、多読はあくまでも投資という考えを持つことが大事です。単に本を多く読みこなすということではなく、自分の課題や目的・目標にとって必要な情報だけが得られれば、それで十分という考えでいいと思います。
完璧主義をやめること、そして多読をすること、それが現状を打破することの第一歩だと思います。